浄化とは、汚れを取り除きキレイにすること、清めるという意味で使用されています。
仕事や家事や学校、日々を送る中の些細なことでも、体や心にストレスや疲れがたまっていきます。そんな疲れを浄化したい、解消したいと考える方は、この現代社会において少なくはないでしょう。
気分がすっきりしない時にはお散歩をして自然と触れ合い落ち着いた気持ちになったり、お風呂に入ってリフレッシュを行ったりということも、浄化の意味の一部と考えられています。
一日の汗や埃を落とす作業は体に良い影響を与えるだけではなく、気持ちもすっきりとリフレッシュさせてくれます。このように実は身近な行いによっても、日々浄化作用という物は行われています。
そこで、ここでは日常における心身の浄化、そのやり方や意味を紹介していきます。
意味をしっかりと確認して適切に浄化を行っていきましょう。
目次
浄化には身体の浄化と精神の浄化の二つがありますが、今回は心に絞って浄化の意味を説明します。
古代ギリシア人であるアリストテレスは、『詩学』という著書の中で「katharsis」という言葉を使いました。
katharsisの読み方はカタルシスになり、日常の中で聞いたことがある方も多いのではと思われます。
カタルシスとは、不浄を払うための清めの儀式に由来した意味の言葉です。
哲学および心理学において精神の浄化を意味する言葉として、カタルシスという言葉が登場して以降は現代まで使用され続けることになります。
詩学の中では、浄化は「悲劇が観客の心に怖れと憐れみの感情を呼び起こすことで精神を浄化する効果」と記されています。清らな物を見て感じることによって、自らの内にある清らかな心と相対することができる、という意味になるでしょう。
この場合は憐れみと恐れがキーポイントとなっていますが、日本人にとっては労わりや同情心という意味で捉えた方が、しっくりくるかもしれません。
日本人と同じく、公衆浴場をこよなく愛してきた古代ローマの人たちも、日々の生活の中で魂の浄化作用に一際重きを置いていたのかもしれません。
日本でも主に神道の儀式として、祓(はらえ、はらい)というものが行われています。
これは罪の穢れや厄災、不浄などを心身から取り除くことを意味する神事です。
記紀(古事記・日本書紀)神話の中に、伊弉諾尊(イザナギノミコト)が妻である伊邪那美命(イザナミノミコト)を黄泉の国へ迎えに行き、断念して帰ってきた後に黄泉の国で受けてしまった穢れを海水で祓い清めたという物語が記されていますが、この行いが祓の起源と言われています。
七五三などの人生の折り目に神社へお参りに行き祈祷を上げてもらった、という経験を持つ方もいるのではないでしょうか。祈祷にはこんな意味が込められていたのですね。
神社に参拝し、厄除けのお札を頂戴して家の中に祀るという行為も、精神を浄化する行為としてとても身近な行いになるのではないかと思います。
浄化を行う方法は日常生活を送る中で簡単にできるものから、ちょっと意識を変えることによってできるものなど、様々な方法があります。
そこで特定のアイテムを必要としない浄化方法を紹介していきます。
やり方や意味を確認して行ってみましょう。
空気の入れ換えや掃除には大きな意味があり、定期的に行うことが必要です。部屋の中に溜まった空気を入れ替えることは、立派な浄化作用に当たります。
特に朝起きて夜のうちにこもった空気を入れ替えると、澄んだ空気をより一層感じることができ、リフレッシュ効果も見込めやすくなります。
掃除を行うことは部屋が過ごしやすくなるということはもちろん、風水的にも良い意味があるとされており、浄化の方法としても適しています。
日常でよく目につく部分が散らかっていると、それを目にするたびに小さなストレスが積も重なってしまうので浄化の効果も弱くなりますので、注意をしておきましょう。
溜まった埃を落としたり、掃除機をかけたり片づけたり、水拭きなどを行って浄化をすると、より清々しい気持ちになるのではないでしょうか。
部屋の掃除を行うことで良い運気が舞い込みやすくなり、空気を清める効果も期待できます。
ただ掃除をすると面倒な気持ちになってしまう方も多いと思いますが、浄化をするという意味を考えて行うと前向きにも慣れますね。
部屋の汚れや散らかりは忙しい時には中々意識できないと思われますが、思い立った時には簡単な掃除をして気分をリフレッシュしてみましょう。
音楽や自然も浄化には大きな意味を持っています。
自然の音や音楽を聴くことで、精神をリラックスさせることができます。特に有名な音楽はモーツァルトの音楽がありますが、モーツァルトの奏でる音楽には高周波の音がよく使用されており、そのため脳を刺激しやすいと言われています。
この高周波はアルファ波であると捉えられており、アルファ波は自然環境に近い1/fの揺らぎを感じられることから、リラックス効果が得られるのではないかと考えられています。
最近では自然の音、川のせせらぎや焚火が燃える音などが収録された音源もあり、手軽に脳がリラックスできる音楽を楽しめるようになっています。
このような音楽も心の浄化には適しています。
音楽を聴いてリラックスする時間にも浄化の意味を持たせることができますね。
心の浄化には瞑想はとても効果的で意味のある方法です。
瞑想を行うことで、意図的に「何も考えない」時間を生み出すことができます。初めは少し慣れないかもしれませんが、コツを掴むことで誰でも、そしてどこでも浄化を行うことができます。
忙しい社会では何も考えないことに意味を見いだすことが難しいと考えがちですが、心を浄化する上では何も考えないことも大きな意味を持ちます。
【瞑想の仕方】
.座る・寝転ぶ、リラックスした姿勢を保ちます。
リラックスできていない状態では意味が無くなってしまいますので、楽な姿勢を意識しましょう。
必要に応じてクッションや座布団なども活用してもよいでしょう。
2.半眼(目を開いてもおらず閉じてもいない状態。仏像などで良く見られる表現技法でもある)にして呼吸に集中します。
3.鼻から息を吸い、深く口から息を吐きます。
この時に吸うことよりも、吐くことに重点を置くようにしましょう。しっかりと深く息を吐きだすことが大切です。
荒い息ではリラックスできませんので、深く息をすることに大きな意味があります。
4.何も考えない、を意識に埋め込みます。
雑念をしていると感じた場合には1〜10などの数字を繰り返し、一定のリズムで数えると良いでしょう。
あくまでも意識に埋め込むということですので、「何も考えない」ということを考えてしまっては意味がありません。いわゆる心を無にするという意味で捉えましょう。
瞑想は一回5分でも構いません。慣れてくると5分間のヒーリングミュージックを流しながらでも、集中して瞑想を続けることができます。
一日の内に様々なことを思考する脳を一度リセットし浄化するための、手軽で最適な方法です。
瞑想をやったことがない方も5分だけ時間を用意して、気軽に始めてみましょう。
短い時間でも十分浄化を行う意味がありますよ。
メリハリを持って浄化を行いたい場合には、特定のアイテムを用意して行う方法も効果的です。よりリラックスできるなら必要なアイテムと言えますね。
そこでアイテムを使った浄化方法、またアイテムにどんな意味があるのかを紹介していきます。
アロマやお香など、良い香りをするものを使用する浄化方法は、瞑想と似た効果を期待できます。
良い香りを嗅ぐと、人間はつい深く息を吸い込んでしまいます。そのため呼吸が深くなり、身体の中に空気をたっぷりと行き渡らせることができます。
これがアロマやお香などを効果的に利用する意味となります。
部屋の喚起を行いお香を炊くことで、その部屋自体を浄化することができるのです。そして、もし気に入った香りを見つけた場合には、身近に使用しているアイテムにその香りを移すこともおすすめです。
火を使うことですのでアイテム、例えばお財布やポーチなどを燻す場合には、目を離さないように気をつけましょう。
お塩を体にまとわせるということは、お葬式の後のお清めとして知っている方も多いかもしれません。
塩自体には清めの効果、厄払いなどの意味があると考えられており、その塩をお風呂に入れて体を浸すことによって、同じように厄除けや清めの効果・作用を得ることができ浄化することができます。
【塩風呂の入れ方】
1.手のひらに、ひとつかみ程度のお塩をお風呂の中に入れてかき混ぜます。
2.入浴は15分程度
3.お風呂から上がった後は、シャワーで体についた塩水を洗い流してからあがりましょう。
塩風呂に使う塩はお清めに使用する塩や専用の塩、できる限り添加物の入っていない粗塩が良いとされています。混じりけの無い塩を使うことはより浄化の意味を強くすると考えられています。
塩風呂の頻度は人にもよりますが、肌にダメージを与えてしまうため、毎日塩風呂に入ることはしないように気をつけましょう。肌を傷めてしまっては浄化の意味も薄れてしまいますのでご注意下さい。
最大で週2〜3回程度に止め、肌の調子を見ながら頻度を調節していきましょう。
水分補給なども適切に行い、安全な状態で塩風呂を楽しむようにしてください。
【塩風呂を行う際の注意点】
1.肌の弱い方、擦り傷があるときは無理して入浴しないように気をつけましょう。
痛みを我慢しての入力ではストレスを感じてしまいますので、浄化の意味もなくなってしまいます。
2.塩が解けた状態で追い炊きを行うと、配管などが劣化する可能性があります。
3.天然塩を使用する場合は、中に小さな不純物が混ざっていることがあります。
塩を一度布などに包み、その中で溶かして塩風呂を楽しみましょう。
4.入浴した後のお湯は洗い流された邪気がたまっているので、速やかにお湯を捨ててください。
邪気をそのままにしておくと浄化の意味が無くなってしまいますので、すぐにお湯を捨てることが大切です。
心身を浄化する意味とその方法を、いくつか紹介してきました。
その時々の気分やその方の性格によっても、浄化・リフレッシュする方法は変わってくるかと思います。
各条か方法の意味を理解することが大切ですが、あまり形に捕らわれず、その時やりたいと思った浄化方法を試してみましょう。