盛り塩の作り方と注意点。正しい方法や効果を押さえて厄除けを行おう
塩には昔から災いを除ける効果がある、という言い伝えがあります。
葬儀の後には、家に入る前に玄関で塩を手でつまみ、身体にふりかけるお清めを体験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。
魔除けや厄除けの意味で悪い気を家の中に入れないため、塩を使用する風習がある日本。しかし、現在では実際に盛り塩を普段から生活に取り入れている、という方は多くはないかもしれません。
奈良・平安時代にはすでにあったとされる盛り塩にまつわる風習は、弔い事の際だけではなく、普段から運気アップのために行える先人たちの教えが詰まっています。
盛り塩に興味があって取り入れてみたいけど、どのように始めたら良いのかわからないという方のために、盛り塩の作り方や正しい置き方、さらに効果を高めるためのポイントなどをご紹介していきますので参考にしてください。
目次
盛り塩とは
盛り塩とは、小皿に盛った食塩を置き、厄除けや良い気を呼び込む風習のことです。
なぜ塩なのかと疑問に思う方もいるかもしれません。
昔から海水には罪や穢れを取り除くという言い伝えがあり、元々は中国から伝わった思想であると考えられています。
日本に伝わった当初は、盛り塩を店の入り口に置くことで、その塩を食べるために牛が足を止めるため、牛車に乗った身分の高い人を招くことができると考えられていました。そこから徐々に縁起の良い物へと転じ、現在のような形となっています。
盛り塩を取り入れてみたくても、どうやって作ったら良いのか、固め方はどうすればいいのか、と思っている方も多いと思いますので、必要な道具から作り方の手順までを紹介します。
盛り塩作りに必要な道具は
盛り塩は、必要な道具も少ないので誰もが簡単にできます。
必要なのは塩と塩を盛り付ける小皿の他、塩を固めるための器とヘラのみです。
固め器を使うと簡単に塩を固められるので、固め方に自信がない方でも簡単です。
小皿の大きさにも明確な規定はありませんが、直径5センチ程度で陶器の平皿が好ましいです。
小皿は新しい方が好ましいと言われているので、普段から食器として使い古しているものは避けた方が良いでしょう。新しく気の流れが入っていない方が運気がアップする、と考えられているためです。
盛り塩を作るのに必要な道具は、ホームセンターやインターネットで探すと必要なものがセットで販売されていますので、自分でひとつずつ揃えるのが手間だという方にはおすすめです。
盛り塩を作る手順
以下に実際の盛り塩の作り方の手順を解説します。
@塩を固め用器に入れ、上から指で押さえます。
Aヘラを使って表面が平らになるように仕上げます。
Bその上から小皿を裏返しにしてかぶせます。
Cそのまま静かにひっくり返しながら、塩が小皿に載るようにします。
このように至ってシンプルな作り方なので、誰でも簡単に作ることができます。
盛り塩の固め方
季節や塩の保存環境によっては、塩がサラサラとした状態ですぐに崩れることもあります。
固め方のコツは、塩に霧吹きで水分を与えることです。
少し湿らせる作り方を用いると固まりやすくなりますので、実際に試してみましょう。
勢いあまって水をかけすぎるとドロドロになり、かえって崩れる原因になってしまいます。
あくまで湿らせる程度に留めましょう。
塩を溢れるほど盛りすぎると、そこから運気が逃げてしまうという言われもあり、固め方も難しくなるので盛りすぎないように注意が必要です。
目安としては約10g、大さじ1杯弱です。
ただし引っ越し直後や家を新築した際などは、普段の倍の量20gにすることをおすすめします。
大きな節目となる新生活の縁起を担ぎ、厄除けの効果を充分に発揮させるための作り方です。
盛り塩を作るときはどんな盛り方が良いのか?
小皿の上に、食塩を八角錐型や円錐型に置く盛り方が基本とされています。
八角錐型の八の数字は末広がりで縁起の良い形になるため、縁起が良い盛り方と言われています。
運気を引き寄せると言われているので、盛り方に迷っている方は八角錐型がおすすめです。
盛り塩の置き方
盛り塩の作り方がわかったところで、さらに詳しく置くべき場所や効果を高める置き方について解説していきます。
盛り塩に使う食塩の種類は
盛り塩に使う食塩の種類ですが、特にこれという決まりはありません。そのため、加工が少ない天然の粗塩や岩塩を選んでおくと間違いないでしょう。
これは、古来から海水に厄除けの効果があると言われていたためです。
特に避けたいのは、化学調味料やうまみ成分など添加物の入ったタイプです。
せっかく盛り塩を作るのであれば、最大限に効果を高められる天然塩や岩塩、粗塩を使用しましょう。
盛り塩はどこに置くと良いのか
作った盛り塩は、その効果を高めるためにはどこに置くと良いのでしょうか。
外からの邪気を家の中に入れないという厄除けの意味で、まず玄関に置くのが一般的です。関に置くときは、ドアの開け閉めの際に邪魔にならないように置いてください。
トイレや洗面所、キッチンなどの水回りも悪い気が溜まりやすい場所と言われているので、盛り塩を置くのにはふさわしい場所です。
方角を取り入れたい方は
運気アップのため方角を意識している方は、盛り塩を置く場所の方角も気になるかと思います。
盛り塩を置くと良いとされている方角は、方位・方角として家の中心から見て東西南北の4方向と、表鬼門と裏鬼門が基本になります。表鬼門は方角的には北北東のあたり、裏鬼門は南南西あたりの方角とされています。
ただ、家の中の方角を割り出すのは敷居が高いため、まず最初は玄関や水回りといったポイントに置くことをおすすめします。
盛り塩の効果を高めるポイント
盛り塩は、ただ置いていれば良いわけではありません。
せっかく置くのであれば、できるだけ効果的な方法で行いたいところです。
盛り塩をどこに置くかということも重要なのですが、置く場所をキレイにしてから置くことも効果を高めるためには重要なのです。汚れが溜まっているところや、散らかっている場所に置いても運気は上がりません。
キレイに掃除をしてから盛り塩を置くようにしましょう。
置いた後に新たな汚れがつかないためにも、定期的に掃除をするように心がけましょう。
キレイな状態が保たれるほど、盛り塩の効果も続きやすいのです。
盛り塩の交換時期はいつ?
一度作った盛り塩の交換時期についてですが、これには明確な決まりはありません。
交換時期については諸説あり、一般的には神棚の神饌の取り換え時期と同じく、月初めの1日や15日に交換するという人が多いようです。
しかし、これには厳格な決まりはありませんので、自分でルールを決めて無理のない範囲で交換しましょう。
こんなときにはすぐに交換をしてください
必ずしも月に数回の頻度で交換するということではなく、すぐに交換しなければならないケースもあります。それは形が崩れたときや色が変化したとき、埃やゴミが付いたときなどです。
そのまま置いておくと、せっかく縁起の良い盛り塩も逆効果になってしまうので、その場合はすぐに交換しましょう。
いつでも清潔な状態で置いてこそ効果があるのが盛り塩なのです。
盛り塩を交換するのにおすすめの時間帯
交換する際におすすめな時間帯は午前中です。太陽が登るのと同時に運気が上昇する、と言われているためです。
そのため太陽が登りきる前の11時前までに交換するのが理想でしょう。
ただ、これにも厳密な決まりはありませんので、無理なく都合の良いタイミングで交換する方が続けやすいというのであれば、それも良いでしょう。
時間帯を気にするという方は参考にしてください。
盛り塩の処分方法
古くなった盛り塩の処分方法は、どのようにすれば良いのでしょうか。
厄除けや開運の意味を持つ縁起物だからこそ、捨て方には気を付けたいものです。
感謝の気持ちを忘れずに捨てましょう
昔は川に流したり土に埋める方法を行っていたようですが、環境への影響もあるので現代では難しいでしょう。白い紙などに包んで、生ごみとして出す方法がベストです。
処分の際には、これまで家の厄除け等を担ってくれた盛り塩に対する感謝の気持ちを持って行いましょう。
盛り塩処分時のNG事項とは
盛り塩としての役目を果たした食塩を料理に使ったり、食用に使うのはおすすめできません。
そもそも長時間置いていたのものなので衛生的ではありませんし、せっかく盛り塩が吸収してくれた悪い運気などをわざわざ取り込むことにもなってしまいますので、本末転倒になってしまいます。
感謝の気持ちを持って適切な方法で処分して、決して再利用はしないように気を付けましょう。
盛り塩を生活の中に取り入れてみましょう
盛り塩は、風水の中でも手軽に始められる方法のひとつで、家の中から悪い気を取り除く厄除けの目的で置かれます。
外から悪い気が入ることを防ぐために玄関に置いたり、悪い気が溜まりやすいと言われている水回りであるキッチンやトイレ、お風呂などに置くのが一般的です。
一般家庭だけではなく、お店の入口に盛り塩を置いている飲食店などもたまに見かけることでしょう。お店の玄関に盛り塩を置くことで、外からの邪気を払い商売繫盛を願う、という目的があります。
盛り塩は塩・小皿・固め用器・ヘラがあれば作り方も簡単なうえ、お金もあまりかからないので、厄除けや開運のために家で簡単に始められる方法です。
一度道具を揃えてしまえば何度も交換できるので、続けるのにもコストがかかることはなく、長期にわたって家の厄除けを続けることができるのも利点です。
盛り塩に使う塩は普段の料理に使うこともできますので、盛り塩専用にする必要はありません。保管の際にケースなどに移す際は、保管容器が汚れていないか注意してください。
容器が汚れていると、塩のパワーも落ちてしまいます。
紹介した盛り塩の作り方や盛り方、効果的を逃さないための注意点を踏まえ、生活の中に盛り塩を取り入れてみましょう。